獣医師監修のニュースレターをお届け。

登録する

メインクーンのご紹介 

大型の猫種のメインクーンは、飼い猫の中で最大の品種の1つです。成長はゆっくりで、他の品種よりも時間がかかります。性格も素晴らしいです。聡明で優しく、温和なメインクーンには、一般的な猫のイメージはあまり当てはまらないかもしれません。フレンドリーで、人間や他のペットと仲良く暮らすことができます。 

正式名称:メインクーン 

別名:メイン シャグ、シャグ猫 

原産:米国 

Black and white portait of both an adult and kitten Maine Coon lying next to each other
  • 毛の長さ 

  • 抜け毛の量 

  • トリミングの必要性 

  • エネルギー レベル 

  • おしゃべり 

  • 家族向きのペット*

  • 他のペットとの同居 

  • 1匹で過ごせる* 

  • 環境(室内・屋外)

*ペットをあまりに長時間留守番させることは避けましょう。一緒に過ごすことで、精神的なストレスや破壊的な行動をおさえることができます。推奨事項については、獣医師にご相談ください。  品種ごとの特性はあっても、ペットにはそれぞれ個性があります。品種の特性に関する概要については、目安として参考にしてください。  幸せで健康的な、社会のルールに順応できるペットに育てるために、ペットをトレーニングして社会化させるだけでなく、基本的な福祉面でのニーズ(および社会的かつ行動上のニーズ)を満たすことをおすすめします。  目の届かない状況で、ペットを子供と一緒に放置してはなりません。  さらにアドバイスが必要な場合は、ブリーダーまたは獣医師にご相談ください。  すべてのペットは社交的であり、ペットオーナーと一緒に過ごすことを好みます。ただし、幼い頃からペットオーナーがいない状況に対処するようにトレーニングすることができます。この場合、獣医師またはトレーナーにアドバイスを求めてください。
オスメス
高さ高さ
25 - 41 cm25 - 35 cm
体重体重
6 - 10 kg4 - 7 kg
ライフステージ
成長後期 成猫期
~15ヵ月15ヵ月~7歳
高齢期
7歳以上
Maine Coon kitten peering out of a duvet mound
1/7

メインクーンについて 

この猫種について知っておくべきこと 

決して社交的とは言えない猫もいますが、メインクーンは非常に人なつっこい猫です。とてもフレンドリーです。過度な依存はせず、常に注目を引こうともしませんが、それでもペットオーナーと一緒にいることを好みます。ペットオーナーが部屋を移動すると、いつも付いてくることでしょう。 

メインクーンは、他の品種ほど高いところが好きではなく、どこかに登るよりも地面に落ちているものを調べるほうが好きです。また、時間をかけて成長します。メインクーンは、3〜5歳になるまで成長期が続きます。しかし、子猫のような気質をいつまでも保ちます。遊び好きで好奇心にあふれ、ペットオーナーのあらゆる活動に興味を示します。 

メインクーンはめったにニャーとは鳴きません。代わりに、ほとんどのメインクーンは、特徴的な柔らかく甲高い声で鳴いたり、声を震わせたりします。大きな体には合わないような、小さくてもの静かな声です。ライオンのようなたてがみを持つメインクーンの被毛は、耐水性があることから「全天候型」と言えます。細く柔らかなアンダーコートは、中程度の長さの流れるようなアウターコートで覆われています。アウターコートは絹のようですがとてもボリュームがあります。そのおかげで、メインクーンは寒い季節でも暖かく過ごせます。また、断熱効果を高めるためにふさふさした尻尾を体に巻きつけます。メインクーンは威厳があり、時には野性的に見えることがありますが、一般的に非常に優しい性格で、ペットオーナーに忠実です。 

メインクーンは、その大きさのせいでスポーツが得意ではありません。しかし、温和な性格と忍耐力のおかげで、子どもたちや他の家族にとって素晴らしい仲間になります。完全に成長したメインクーンは一緒に暮らしやすく、とても愛嬌があり、一般的に犬や他の猫とも仲良くできます。まさに理想的な家庭猫です! 

Striped Maine Coon sitting in a tree
2/7

メインクーンにまつわる2つの事実 

1. 綿毛の要因 

決して小柄な猫ではありませんが、ふわふわとした豊かな被毛により、被毛が短い個体よりも体が大きく見える場合があります。その被毛の下にある体は丈夫でまた筋肉質で、体長も長く、がっしりしています。

2. 不器用なところもチャーミング 

メインクーンは非常に機敏ですが、少し不器用でもあり、ジャンプして着地するときに高さを誤って計算してしまうことがあります。体格が大きいため1つ1つの動きも大きいですが、遊び心あふれるところもチャームポイントです。 

Black and white portrait of a Maine Coon sat up on front two legs
3/7

この品種の歴史 

一般的にメイン州の原産と見なされていますが、メインクーンがどのようにしてそこに登場したのかは正確に記録されておらず、結論は出ていません。生物学的には不可能な話ですが、広く知れ渡っている「神話」としては、この品種は半野生の飼い猫とアライグマ(ラクーン)との交配から生まれたというものがあります。 

このような伝説と外見から、メインクーンという名前が採用されました。もう1つの人気のある説は、マリー・アントワネットがフランス革命中に母国からの逃亡を計画した際、メイン州ウィスカセットに送った6匹の飼い猫を先祖に持つというものです。 

現代のブリーダーのほとんどは、短毛の飼い猫と海外の長毛猫の交配からメインクーンが生まれたと信じています。環境条件による自然淘汰が、ニューイングランドの厳しい冬を生き残れるよう、筋肉質で被毛がぎっしり生えたこの大型猫を生み出したのです。 

北米で最も古い品種の1つであるメインクーンは、当時まだ開催されて間もないボストンやニューヨークのキャットショーで人気を博しました。1895年のマディソン スクエア ガーデン ショーでは、「コージー」という名前のブラウン タビーのメス猫が「ベスト キャット」賞を受賞しました。それ以来、この品種の人気は続いています。 

4/7

頭から尻尾まで

メインクーンの身体的特徴 

1
2
3
4
5

1.被毛 

細くて柔らかいアンダーコートと、中程度の長さの流れるようなアウターコート

2.骨格 

丈夫な骨格としっかりとした筋肉が生み出す、力強い外観

3.頭部 

力強い頭部と箱型のマズル、高い位置にある房毛の生えた耳

4.尻尾 

長くて立派な尻尾

5.外見 

優しい性格ながら、やや野生的な見た目
Front on shot of a Maine Coon lying in grass
5/7

注意すべきこと 

この猫種の特性から健康に関する一般的な概要まで、メインクーンに関するいくつかの注意が必要なポイントをご紹介します 

大型猫であるメインクーンの健康維持には運動が必要

大型のメインクーンは、年をとるにつれて体重が増えやすい傾向があります。体重管理に役立つ方法は、定期的に遊ぶことです。他の大型猫と同様、メインクーンにとって、おもちゃ(丸めた紙でもよい)を追いかけて大きな足でつかむことは健康の維持に役立つだけでなく、「ネズミ捕り」のスキルが鈍らないようにする効果もあります。獣医師は、猫の体型維持をサポートするために、メインクーンと一緒に遊ぶことをアドバイスする場合があります。

猫肥大型心筋症が問題になることもある 

一般には健康的な品種ですが、メインクーンには特定の病気に対する特定の素因があり、その中で最も深刻なのは猫肥大型心筋症です。心臓の筋肉の肥厚を伴う病気で、遺伝性の場合もありますが、タウリンなどのアミノ酸が不足したフードに関連している場合もあります。この病気は心不全などの重大な心血管疾患を引き起こす可能性があります。獣医師は早期発見するために定期的な胸部X線検査と心エコー検査(心臓の超音波検査)を推奨しています。

この品種は股関節に問題を起こしやすい可能性もある 

大型で筋肉質のメインクーンは、股関節に問題を起こしやすく、股関節形成不全が生じる場合があります。遺伝的な要因もあり、ある研究では最大51%のメインクーンのX線写真に股関節形成不全が認められています。ですが、慌てる必要はありません。評判の良いブリーダーは、交配の候補となる親猫を検査し、この病気の遺伝子を持っている猫同士を交配しないようにします。適切な量のフードと定期的な健康診断は、猫の健康を最適な状態で維持するのに大きな効果があります。 

健康的な食事で、より健康的に 

個々の猫に最適な栄養バランスは、メインクーンの健康と美しさを維持する上で重要な役割を果たします。メインクーンの総合栄養食は、栄養素のバランスを調整したものでなければなりません。このフードを使用することで、過不足のない食事を与えられます。食事は不足しても多すぎても猫の健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。  
規則的な排尿をサポートするために、清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく必要があります。また、猫はもともと少量の餌を1日7〜10回食べるようにできています。推奨されている1日分のキブル(ドライフードの粒)の量を一度に与えるとメインクーンは自分で食べる量を調整します。  

以下の推奨事項は、健康的な動物に対するものです。猫に健康上の問題がある場合は、獣医師に相談し、専用の食事療法食を処方してもらってください。 

メインクーンの子猫の成長は、普通よりも長い時間が掛かり、品種固有の大柄な骨格がつくられます。また、標準的な子猫に比べてとても速いスピードで体が大きくなります。生後3ヵ月のメインクーンの子猫の体重は約2kgで、他の品種の子猫のおよそ2倍です。メインクーンの子猫の成長には2つの段階があります。  

成長前期 - 誕生から生後4ヵ月齢まで  

離乳とは、子猫が流動食(母乳)から固形フードに移行することです。この期間は、生後3〜6週齢で歯が生える時期に自然と対応しています。この段階では、子猫はまだ噛み砕くことができないので、柔らかいフード(ふやかしたキブル(ドライフードの粒)や適切なウェットフード)は、流動食から固形フードに移行しやすくするのに役立ちます。出後4〜12週齢では、子猫が母親の初乳(最初の母乳)から獲得する自然免疫は低下しますが、子猫の免疫系は徐々に発達します。免疫ギャップと呼ばれるこの重要な時期には、自然の免疫力をサポートするために、ビタミンEを含む複数の抗酸化物質が配合されているとよいでしょう。子猫にとっては、特に繊細になるのが成長期で、この間、消化器系の不調が起こりやすくなります。この時期のフードは、成長のニーズを満たすためのエネルギーが豊富なだけでなく、発達を続ける消化器系に合わせた極めて消化のよいタンパク質も含んでいる必要があります。また、フラクトオリゴ糖などのプレバイオティクスは、腸内環境のバランスを整えて胃腸の健康をサポートします。その結果、健康な排便ができるようになります。子猫用フードには、脳神経系の健康的な発達をサポートするのに役立つオメガ3脂肪酸(EPA/DHA)が含まれている必要があります。  

すべての猫と同様に健康的な泌尿器機能を維持することに加え、メインクーンの成猫の主な栄養目標は次のとおりです。

コンドロイチン硫酸、グルコサミン、EPA/DHAにより、大きな骨格の関節をサポートします。大きくて重く、がっしりとしたメインクーンは、関節にかなりの負担がかかります。 

適切な量のマグネシウム、ナトリウム、カリウム、アルギニン、EPA/DHA、タウリン、L-カルニチン、抗酸化物質を与えて、心臓の健康に配慮しましょう。メインクーンは、大きな体格にもかかわらず、肥大型心筋症や心臓壁の硬化などの特定の疾病に罹りやすい場合があります。  

肌のバリア機能を強化する対象となる栄養素を豊富に追加することで、肌の健康と長くて美しい毛並みを保つのを助けます  
大きくて四角い顎に合った形と咀嚼を促す食感のキブル(ドライフードの粒)を与えることで、口腔衛生のケアをサポートしましょう。  

猫は年をとるにつれて、歯の問題が生じるようになります。一部の高齢期の猫は、味覚や嗅覚も衰えるため、フードの摂取量の低下につながる可能性があります。愛猫が十分な量を確実に食べ続けられるよう、老化とともに弱くなる可能性のある顎に合った形や大きさ、硬さ(食感)のキブル(ドライフードの粒)を選ぶ必要があります。

猫の最適なエネルギー量は、老化に向かう段階であっても、ライフスタイルに依存することに注意してください。定期的に屋外に出る高齢期の猫は、脂肪含有量が比較的高いフードからメリットを得られます。一方、老化により、室内飼育されている猫の肥満リスクが減ることはありません。依然として、カロリー摂取量を注意深く監視する必要があります。適度な脂肪含有量のフードが最適な場合があります。

12歳以上の高齢期の猫は、消化吸収しづらくなる傾向があります。老化に向かう猫の体重を維持し、栄養失調のリスクを最小限に抑えるために、必須栄養素が豊富で、非常に消化性の高いフードを与える必要があります。

White and ginger Maine Coon mid air bounding through grass
6/7

メインクーンのケア 

運動、グルーミング、トレーニングのヒント 

メインクーンがより長く、健康的な生活を送るには、活動的に保つことが重要です。好奇心旺盛な生まれつきの性格を利用し、インタラクティブなおもちゃや他のクリエイティブな遊びを通して、身体的に触れ合いながら精神的な刺激を与えることができます。ひもや電池式のネズミ、マタタビが入ったおもちゃでも、メインクーンは走り回り、飛び回ります。1日20分でも、大型猫の健康を維持するのにとても効果があります。最適な方法:1日20〜60分を10分ずつに分割します。猫には一度に長時間の運動をさせるべきではありません。猫によってどんな遊びをどのくらいの時間楽しめるかは異なります。

中毛から長毛であるにもかかわらず、メインクーンは最小限のグルーミングしか必要としません。被毛は、他の長毛の品種(ペルシャなど)ほど絡みやすくありません。週に1回金属製のコームで猫の被毛の手入れをし、もつれを防いでください。猫は注目されることを好むため、1対1で向かい合う時間を取るという意味でも重要です。 

猫は一般的にそうですが、特にメインクーンはトレーニングに対して非常に積極的で、クリッカー トレーニングを受ければ多くのことを行えるようになります。また、猫トレーニングの現代メソッドは、メインクーンの性格にとても合っています。正の強化(良いことをすると褒められる)は、ペットオーナーとの交流を好むメインクーンには効果的です。反復的で短いセッションを考えてください。どちらも、あなたのペットの自然な好奇心、注意力、知性にぴったりの方法です。

7/7

メインクーンについて

額の縞にM字模様があり、そこにふわふわした毛束が生えていれば、メインクーンの可能性があります。獣医師に診てもらい、飼い猫がメインクーン種かどうかを詳しく確かめてもらうことができます。

メインクーンはコミュニケーションに優れ、鳴き声とボディーランゲージで自分を表現します。生まれながらに表現力豊かな猫種で、時々、ペットオーナーの後を追いながら鳴き続けることもあります。メインクーン特有の鳴き声に気付くかもしれません。ニャーではなく、小さくゴロゴロと喉を鳴らす傾向があります。説明するのは難しいですが、品種特有の鳴き方をします。このような組み合わせによって生み出される調和のとれた声は、人や他の猫とコミュニケーションをする際のメインクーンの特性の1つとなっています。

出典
  1. Veterinary Centers of America https://vcahospitals.com/
  2. ロイヤルカナン犬の百科事典。2010年版、2020年版
  3. Banfield Pet Hospital https://www.banfield.com/
  4. ロイヤルカナンBHN製品ブック

このページを「いいね」および「シェア」する