ロットワイラーのご紹介
気性が荒いという評判や、威圧的な大きさにもかかわらず、ロットワイラーは愛情深く、従順で驚くほど穏やかな気質を持つ、忠実で献身的な犬種です。それにもかかわらず、恐れを知らない気質、生来の知性、力強い骨格により、世界でも人気の番犬の一種でもあります。結果として、ロットワイラーは、「群れのリーダー」の役割を果たすことができる経験豊富なペットオーナーと相性が良い傾向があります。
正式名称:ロットワイラー
別名:ロッティー、ロットワイラー メッツガーフンド、ロットヴァイルの肉屋の犬
原産:ドイツ
よだれの量
トリミングの必要性
抜け毛の量
吠える
エネルギー レベル
他のペットとの相性
暖かい気候への適性
寒い気候への適性
アパートでの生活への適正
1匹で過ごせる*
家族向きのペット*
オス | メス |
---|---|
高さ | 高さ |
61 - 68.5 cm | 56 - 63.5 cm |
体重 | 体重 |
43 - 61 kg | 36 - 45 kg |
ライフステージ | |
---|---|
成長後期 | 成犬期 |
2~8ヵ月 | 8ヵ月~2歳 |
中高齢期 | 高齢期 |
2歳~5歳 | 5歳~16歳 |
成長前期 | |
誕生~2ヵ月 |
ロットワイラーについて
この犬種について知っておくべきこと
映画やメディアでは攻撃的で危険な犬として描写されることが多いのですが、実際にはロットワイラーの性格はまったく異なります。力強くパワフルで、必要であれば犯罪者を攻撃するように訓練できるのは事実ですが、ロットワイラーは心の優しい大型犬です。経験豊富なペットオーナーから適切なトレーニングを受けると、すぐに従順で尊敬の念に満ちた、非常に優しい献身的な伴侶となります。
生まれながらに一族を守るロットワイラーは、人間の家族と非常に強い絆を築きます。一方、ロットワイラーのペットオーナーが証言するように、素晴らしい遊び心をあわせ持っています。好意を寄せてくれる人に寄り添うことが好きで、許しが出れば膝の上に座ろうとさえします。
世界で最も古い品種の1つ、ロットワイラーの歴史は、牛の群れを束ねる際に利用されていたローマ時代にまで遡ります。現在では、家族向きのペットとしての人気だけでなく、ロットワイラーの力強い大きな体格と生まれながらの知性により、番犬として利用されることも多いです。常に周りの様子に注意を払っており、優れた使役犬でもあります。
警察で重宝されているだけでなく警備員に付き添うこともよくあり、捜索救助犬としても登用されています。この特性は、ロットワイラーの良い評判をさらに高めています。
彫像のように大きなロットワイラーは、確かに見た目が威圧的です。大きく筋肉質でエネルギッシュな、とても美しい動物でもあります。さび色の斑点がちりばめられた滑らかなダークコート、表情豊かなダークブラウンの瞳、そして力強く揺れる尻尾が特徴です。
このほか、ロットワイラーについて留意しておくべき点は、たくさんの運動が必要だということです。理想的には、毎日2時間以上の運動が必要です。ただし、運動の習慣をつけ、適切なトレーニングと社会社会化を行えば、家族の不可欠な一員になるはずです。
ロットワイラーにまつわる
1. 俗説にすぎません
危険な状態になりかねないロットワイラーの行動は、ペットオーナーの管理が十分でなかったり、社会化やトレーニングをしていなかったりすることに起因する場合がほとんどです。特にロットワイラーは計り知れない強靭さを持ち合わせていますので、社会化とトレーニングについて検討することが重要です。ロットワイラーのトレーニングの詳細については以下をご覧ください。
2. すべては繁殖のために
ロットワイラーは、1990年代に米国で最も人気の高い犬種になりました。その結果、繁殖におけるモラルが低下することになり、健康上の問題がある犬や気質に問題を抱える犬が生まれるようになりました。尊敬されていて信頼できるブリーダーは時間をかけて探す価値があります。
この品種の歴史
世界で最も古い犬種の1つ、ロットワイラーは、本来マスティフの一種であるモロシアスの子孫です。ローマ時代には、これらの頑丈な犬は、牛を束ねて警備するのに利用されていました。その後、アルプスを横断する壮大な旅で、ローマ軍に同行しました。ローマ人が植民地化したドイツに到着したとき、同行していた犬は在来種と出会い、交配されました。これにより、現在の姿のロットワイラーが誕生しました。
牛の取引の中心地となったロットヴァイルの小さな町にちなんで名付けられた犬は、動物の群れを束ねるという役割を果たし続けました。一方、信頼できる荷物運搬犬として地元の肉屋でも利用され、ロットワイラーメッツガーフンド(肉屋の犬)としても知られるようになりました。
その後、1900年代初頭、ロットワイラーは警察で重宝されるようになり、番犬としての評判への道が開かれました。1931年にアメリカン ケネル クラブによって正式に認定されましたが、ロットワイラーの人気が実際に高まったのは、第二次世界大戦後のことでした。もちろん、家庭用ペットとしても同様に有名になりました。
興味深いことに、ロットワイラーは、視覚障害者の最初の介助犬の1種でもあります。最近では、捜索救助活動で活躍しています。メディアではむしろ否定的に描写されるにもかかわらず、今では世界中の愛犬家の間で根強い人気を誇ります。
頭から尻尾まで
ロットワイラーの身体的特徴
1.頭部
2.目
3.身体
4.被毛
5.尻尾
注意すべきこと
この品種の特性から健康に関する一般的な概要まで、ロットワイラーに関するいくつかの注意が必要なポイントをご紹介します。
足の問題にご注意
ロットワイラーに最もよくみられる健康上の問題の1つに、「股関節形成不全」(関節の変形)と呼ばれる遺伝による病気があります。この病気になると、片方または両方の後足に痛みや歩行困難が生じる場合が多いですが、このような問題が出ないこともあります。後年になって、関節炎につながることがよくあります。ただし、評判の良いブリーダーは、すべての親犬の腰と肘のレントゲン撮影を行いますので、リスクを最小限に抑えられます。高品質のフードを与え、定期的な運動や適切な体重の維持を行うことで、ロットワイラーの健康な関節をサポートできます。
胃腸の問題が生じやすい傾向があります
他の大型犬のように、ロットワイラーには、胃拡張捻転症候群の発症リスクがあります。これは、胃の中に過剰なガスが蓄積することによって引き起こされる、潜在的に深刻な症状です。幸いにも、予防策はいくつかあります。たとえば、一度に食べすぎたり飲みすぎたりすることが原因になる場合が多いため、フードの給与量を1日に数回の食事に分割する必要があります。また、特殊なデザインのフードボウルを使えば食べるスピードを遅くすることができます。ロットワイラーの運動は、食後できるだけ時間が経ってから行うことが重要です。症状には、腹部膨満、唾液分泌過多、嘔吐などがあります。早急な治療が不可欠であるため、すぐに獣医師の診察を受けてください。
見たことのないしこりやこぶに気を付けましょう
すべての犬と同様に、ロットワイラーも身体にしこりやこぶができることがあります。いぼ、のう胞、脂肪のしこりなどは通常問題ありませんが、「肥満細胞腫」であることもあります。これは、早急な治療が必要な癌の一種です。ロットワイラーはまた、他の犬よりも大型犬にみられることが多い骨肉腫になりやすい傾向があります。ほとんどの場合は肩、手首、膝の部分にできるため、最初に起きる可能性のある問題は、足を引きずるようにして歩くことです。そのため、見たことのない異常がないか気を付けていることが重要です。また、早期発見が大切ですので、早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
健康的な食事で、より健康的に
ロットワイラーのフードを選ぶ際に考慮すべき多くの要因があります。それには、犬の年齢、ライフスタイル、活動レベル、生理的な状態、健康状態などが含まれます。フードは犬の生命維持に必要なエネルギーを提供します。総合栄養食は、栄養素の不足や過剰を避けるために、栄養素のバランスが調整されています。 大型の犬種は、一般にフードの過剰摂取によって生じる過剰なガスのために、胃が過度に伸ばされて捻じれる胃拡張捻転症候群(GDV)と呼ばれる病気のリスクが高くなります。子犬の間は、1日の給与量を3回分に分けて与え、この給与方法を成犬になるまで保つようにしてください。清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく必要があります。暑い時期、特に運動をする場合は、犬が頻繁に水を飲むことができるよう水を持参してください。 以下の推奨事項は、健康的な動物に対するものです。犬に健康上の問題がある場合は、獣医師に相談し、必要に応じて専用の食事療法食を処方してもらいましょう。
ロットワイラーの子犬が必要とするエネルギー、タンパク質、ミネラル、ビタミンの量は、成犬よりも多くなります。子犬は成長し、体を大きくするためにもエネルギーと栄養素が必要なためです。生後10ヵ月頃まで、ロットワイラーの子犬の免疫システムは徐々に発達していきます。この大きな変化、発見、新しい出会いのある時期に、ビタミンEなどの抗酸化物質の組み合わせが、健康を維持することで本来の自然免疫力の発達のサポートに役立ちます。消化機能もロットワイラーの子犬と成犬では異なります。 子犬の胃腸系はまだ十分に成長していないため、骨、組織、臓器の形成のために、効率的に消化・吸収される消化性の高いタンパク質を与えることが重要です。また、フラクトオリゴ糖(FOS)などのプレバイオティクスは、腸内環境のバランスを整えることによって胃腸の健康をサポートします。フードを歯で取って食べやすいように、適切なサイズ、形、質感のキブル(ドライフードの粒)四肢欠損、骨の変形、関節病変などの骨格や関節の問題による影響を受けやすくなっています。
成長の初期段階(8ヵ月まで)は、主に骨の発達に関係していますが、筋肉も成長し始めます。成長のスピードを支え、同時に、体重の増えすぎを回避するようにカロリーを適切に調整したフードは、過剰な体重増加のリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。去勢手術は犬が肥満になる原因の一つになります。この成長の最初の段階でエネルギーとミネラル(カルシウムとリン)をバランスよく取ることで、骨のミネラル化が促されて、健康な関節の発達に貢献します。フードのカルシウム含有量を増やす必要がありますが、超大型犬の子犬は、カルシウムの過剰摂取に対して敏感に反応します。獣医師が処方する場合を除き、成長段階向けに配合された総合栄養食にミネラルを追加することは、不必要であり、最悪の場合は動物にとって危険を招くことを理解することが重要です。
生後8ヵ月からの2番目の成長段階では、調整されたタンパク質とL-カルニチンも健康な筋肉の発達を支えるのに役立ちます。 生涯を通じて、ロットワイラーには人間の食べ物や脂肪分の多いおやつを与えないようにすることが重要です。代わりに、給与量の範囲内でキブル(ドライフードの粒)をご褒美として与え、パッケージに記載された給与表に厳密に従ってください。
超大型犬の例にもれず、ロットワイラーは消化器系が敏感な傾向があり、その体重は生涯を通じて関節にストレスを与える可能性があります。ロットワイラーの栄養上のニーズとして、健康な消化を維持するために高品質のタンパク質とバランスの取れた食物繊維を供給すること、また健康な骨と関節をサポートするためにグルコサミン、コンドロイチン、抗酸化物質を供給することが必要です。
EPA/心臓機能維持をサポートするためにも重要です。
ロットワイラーのケア
非常に筋肉質で元気で活発なため、ロットワイラーの成犬が精神的にも肉体的にも最高の状態を維持するには、十分な運動と交流が必要です。余分なエネルギーを少しでも消費して精神的な健康状態も維持するには、毎日少なくとも2時間の運動が必要です。理想的には、全速力で走り回ってストレスを発散できる広くて安全な場所に行くのが効果的です。ロットワイラーは成犬期になっても子犬と同じように遊び好きで、庭でゲームをして遊ぶことを楽しみます。安全な水場があれば水泳も喜びます。
中程度の長さの被毛を持つ ロットワイラーは、週1回のブラッシングで被毛を最高の状態に保てます。ほとんど年間をとおして毛が適度に抜けますが、ロットワイラーの毛が生え変わる春と秋には、より多くの毛が抜けていることに気が付くかもしれません。また、よだれも覚悟しておいてください。定期的に入浴を行うメリットがありますが、ロットワイラーはかなり大きいため、ペットオーナーの多くはプロによるトリミングを予約することを選びます。ロットワイラーの爪は必要に応じてカットし、耳は定期的にチェックしましょう。歯はあなたができる範囲で、少なくとも週に2、3回、可能であれば毎日磨いてあげましょう。幼い頃から慣れさせて、怖がらなくても大丈夫だとわかるようすることが鍵です。
トレーニングはロットワイラーが幼い頃から始めて、あなたを「群れのリーダー」として認識させることが重要です。そうでなければ自分が「最高権力者」だと思うでしょう。この理由から、 ロットワイラーは初めて犬を飼う人には向いていません。しかし、優しくて厳しい人間と適切なトレーニングで、ロットワイラーの子犬は幸せで自信にあふれた成犬に成長します。また、ロットワイラーには生まれつき防御本能があるので、他の人や動物と仲良くできるように早い時期に社会化させることが重要です。非常に利口で学習能力が高いため、トレーニングクラスから得られる精神的な刺激を楽しむことができます。最良の結果を得るには、同じことを繰り返し教え、ご褒美をあげる手法を常に実践しましょう。
7/7
ロットワイラーのすべて
このトピックについてはさまざまな意見がありますが、オスよりもメスのロットワイラーのほうが穏やかで騒がしくないと一般的に言われています。しかし、適切にトレーニングをして、さらに重要なことですが適切なペットオーナーに飼われれば、どちらも献身的に尽くすペットになります。これに関連して、避妊・去勢手術の長所と短所についても考えてみる価値があります。たとえば、避妊・去勢手術をすると雌雄どちらも攻撃性が低下しますが、フード量を調整していないと体重が増加するリスクが高くなります。最後に、メスを選択するもう1つの利点は、通常オスよりも2、3年長く生きることです。
厚いダブルコートに覆われているロットワイラーは、冬の天候にうまく対処できますが、寒さに対してペットオーナーが思っているより敏感なところがあります。高温は苦手ですので、運動する時間帯には常に配慮しましょう。日陰に行けることと、十分な水分補給が必要不可欠です。たくましい評判のあるロットワイラーですが、極端な高温や低温にはあなたが想像しているよりも敏感かもしれません。
興味をお持ちになるかもしれない他の品種
出典
- Veterinary Centers of America https://vcahospitals.com/
- ロイヤルカナン犬の百科事典。2010年版、2020年版
- Banfield Pet Hospital https://www.banfield.com/
- ロイヤルカナンBHN製品ブック
- American Kennel Club https://www.akc.org/
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