ブリティッシュ ショートヘアーの特徴・性格・飼い方・フードの選び方
<目次>
- ブリティッシュ ショートヘアーの基礎知識
- ブリティッシュ ショートヘアーの特徴
- ブリティッシュ ショートヘアーの性格
- 体のサイズ
- ブリティッシュ ショートヘアーの歴史・起源
- 毛色の種類
- 品種固有の情報
- ブリティッシュ ショートヘアーの飼い方、育て方
- ブリティッシュ ショートヘアーの年齢(ライフステージ)にあった食事の選び方
ブリティッシュ ショートヘアーの基礎知識
ブリティッシュ ショートヘアーは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のチェシャ猫のモデルとして知られています。
飼い主の周りにいることを好みますが、地上を歩くことを好み、持ち運ばれると落ち着かなくなります。1人で過ごすことにかなり満足するため、家に1匹で残されても楽しむことができます。
小柄ながら、がっしりした体型で、丸く大きな頭部、幅広くて厚い胸、短めの首、短く力強い脚をもっています。丸みを帯びた見た目から、テディベアのような猫ともいわれています。
出典:World Cat Congress (WCC)による主要な事実と特性
ブリティッシュ ショートヘアーの特徴
ブリティッシュ ショートヘアーの性格
ブリティッシュ ショートヘアーは賢くて愛情深く、気難しい面がありません。子どもや犬に寛容に接し、素晴らしい飼い猫になります。
体のサイズ
オスの体重は6 - 9 kg、メスの体重は4 - 6 kgくらいです。
ブリティッシュ ショートヘアーの歴史・起源
ブリティッシュ ショートヘアーは、ローマ人がイギリス諸島に運び込んだローマの猫の子孫だと考えられています。おそらくはイギリス諸島の土着の猫と交配したのでしょう。家庭で飼い続けられていたと見られ、ねずみなどを捕まえる能力が評価されていました。
19世紀の間、イングランドにおいて純血種の猫への興味が高まる中、ブリーダーは自分たちの飼い猫も正しく認識しようとしました。この猫は1871年にロンドンのクリスタル パレスで最初に披露されました。この時、ペルシャとも交配されました。
1901年には、ブリティッシュ ショートヘアーのキャットクラブが設立されました。当時、ほとんどの個体の被毛はブルーで、外見がシャルトリューに似ていたことから、ブリティッシュ ショートヘアーとシャルトリューは交配され、2つの猫種が酷似してしまいました。結果的に、FIFeは、2つの猫種を同じ猫種とする決断をしました。その後、1977年に、FIFeは再び2つの猫種を2つに分け、2種の交配を禁じました。
アメリカン ショートヘアーと交配された米国では、1980年にCFAに登録されました。最も新しいスタンダードは、1993年にTICAによって確立されています。フランスでは、1979年にFFFが登録しています。
毛色の種類
ブルーに人気がありますが、様々な被毛の色や模様があります。ペルシャと交配されたことから、ロングヘアのブリティッシュ ロングヘアー(TICA)も存在します。
品種固有の情報
- 国
- イギリス
- 被毛
- 短毛
- サイズ区分
- 中型
- 平均寿命
- 14–20 歳
忠実な / 愛情深い / もの静かな / 利口
ブリティッシュ ショートヘアーの飼い方、育て方
ブリティッシュ ショートヘアーの生涯の各段階におけるケアの方法を見てみましょう。
ブリティッシュ ショートヘアーの子猫
ブリティッシュ ショートヘアーの子猫は遊び好きで活力にあふれており、オーナーと一緒にいろんな遊びを楽しみます。この品種は比較的ゆっくりと発達し、少なくとも2歳になるまで完全な成猫になりません。
もの静かで穏やかな性質なので、新しい家庭にすぐに適応し、飼い主やその家族と強い絆を築きます。
この強い絆が一度形成されれば、ブリティッシュ ショートヘアーはオーナーのいるところにいたがるようになります。オーナーのすぐ横によく座るようになったり、家の周囲を移動すればすぐ後ろをついてくるでしょう。
ブリティッシュ ショートヘアーの成猫
ブリティッシュ ショートヘアーが完全に成長すると、強い脚と広い胸を持つ、強靭な体格の猫になります。毅然たる表情をしていますが、ブリティッシュ ショートヘアーは家庭内のすべての人に対して忠実で友好的な仲間です。
グルーミング
ブリティッシュ ショートヘアーの短毛の被毛は密度が高くビロードのようであり、体の上に平らに寝ません。成猫のブリティッシュ ショートヘアーの被毛を健康に保ち、抜け毛を除去するには、ワイヤーブラシで毎週ブラッシングすることが推奨されています。
換毛期は、毎日ブラッシングしてあげることをオススメします。
比較的抜け毛は少ないといわれており、日常的なケアは楽な猫種です。
ブリティッシュ ショートヘアーの健康と老化
ブリティッシュ ショートヘアーは、年をとるまでずっと変わらない忠実で愛情深い性質で知られています。とはいえ、健康と栄養のニーズは年をとるにつれて変わります。この段階で、定期的に獣医師のところで健康診断を受けさせることをおすすめします。獣医師は、老化によってもたらされる栄養上の変化や健康上の問題についてアドバイスしてくれるでしょう。
ブリティッシュ ショートヘアーは力強く頑丈な身体しているため、軽量の猫よりも多くの負担が関節にかかります。この体重のためブリティッシュ ショートヘアーの関節には負荷がかかりやすく、関節の病気を発症しやすいおそれがあります。
この問題を防止あるいは解決するための最良の方法の1つは、体重管理です。これは、バランスのとれた食事、食事の量の調整、豊富な運動量を通して達成することができます。
健康維持のために注意することは?
ブリティッシュ ショートヘアーは、太りやすい猫種のため、体重管理に気を付ける必要があります。太ってしまうと、運動量が減り、ますます太りやすくなってしまうとともに、運動量が減ることから飲水量も減ってしまいます。猫が下部尿路結石になりやすい理由は、濃いおしっこをするため(※)ですが、飲水量が減ることによって、ますます濃いおしっこになってしまいます。
ですから、体重管理と同時に、普段から水分補給に気を付けましょう。
猫は、プラスチックの臭いがあまり好きではありません。もし、プラスチックの容器を使っている場合、入れ物を陶器に変えてみたりするといいでしょう。また、水道の蛇口からしか水を飲まないなどの場合、水が流れるタイプの自動給水器などもオススメです。
ドライフードと合わせて、水分の多いウェットフードを与えるという方法もあります。
(※)猫の祖先は、砂漠で狩りをしていたリビアヤマネコだったといわれています。リビアヤマネコは、乾燥地帯で生活しているため、体内の水分を節約し、濃いおしっこを作ります。猫もこの特徴を受け継いでいます。
※おしっこの中にはいろいろなミネラルが溶けています。おしっこが濃くなりすぎると、普段は溶けているミネラルが溶けきれなくなります。それらの溶けきれないミネラルが結晶となり、尿結石を作ります。
ブリティッシュ ショートヘアーの年齢(ライフステージ)にあった食事の選び方
ブリティッシュ ショートヘアーの猫種としての特徴を考えると、健康的な筋肉と関節を維持すること、歯の健康維持すること、負担がかかりやすい心臓のケア、に配慮したフードを選ぶといいでしょう。
- 健康的な筋肉と関節の維持
- 歯の健康維持には?
- 心臓の健康維持のためには?
- ブリティッシュ ショートヘアーという猫種にとっての栄養バランス
- ブリティッシュ ショートヘアーにとっての食べやすさ、美味しさの重要性
筋肉質でがっしりとした体型なので、健康な筋肉と関節の維持に配慮が必要です。太りやすいという特徴もありますので、筋肉が落ちてしまわないように、筋肉をつくるタンパク質を十分に摂取できるフードを選びましょう。
完全な肉食動物である猫にとって、もともと植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べて消化しにくいものでした。そのため、かつてはペットフードの原材料には動物性タンパク質のほうがより適しているとされてきました。しかし、加工・精製技術が進んだ現在では、動物性タンパク質よりも優れた消化性を持った植物性タンパク質も存在します。
また、関節の健康維持には、軟骨を構成するコンドロイチン硫酸や、コンドロイチン硫酸のもとになるグルコサミンを摂取することが大切です。
ブリティッシュ ショートヘアーは、歯石が付きやすいといわれています。歯石ができにくくするには、歯垢が蓄積しないようにする必要がありますが、ほとんどの場合、猫に歯磨きをすることは難しいということは、猫オーナーさんもよくお分かりのことです。
よく噛むことでブラッシング効果を得られるように食事を工夫する方法もあります。
ブリティッシュ ショートヘアーは、心臓の健康に配慮が必要な猫種です。心臓の健康に配慮するためには、タウリンを適切に摂取することが大切です。
ブリティッシュ ショートヘアーという猫種にぴったり合った栄養バランスのフードを選ぶとき、大切なことは栄養素のバランスであって、素材が何であるかは、重要ではありません。ブリティッシュ ショートヘアーに最適な栄養バランスになるよう様々な素材を組み合わせたフードがオススメです。
どんなに健康によいフードでも食べてくれなければ、意味がありません。人間目線ではなく、ブリティッシュ ショートヘアーの目線から、食べやすく、食欲をそそるフードであることが大切です。
猫にとっての美味しさは、人間とは異なり、匂い、食感、タンパク質の含有比率の高さなどが重要な要素になります。
ブリティッシュ ショートヘアーは、歯石ができやすいという特徴がありますので、歯垢がたまらないようによく噛める少し大きめのキブル(粒)がオススメです。