
ラグドールの特徴・性格・飼い方・フードの選び方
<目次>
- ラグドールの基礎知識
- ラグドールの特徴
- ラグドールの性格
- 体のサイズ
- ラグドールの歴史・起源
- 毛色の種類
- 品種固有の情報
- ラグドールの飼い方、育て方
- ラグドールの年齢(ライフステージ)にあった食事の選び方
ラグドールの基礎知識
一般的に愛情に満ち、のんびりしていて、リラックスしていることが幸せな猫です。
ラグドールは愛情に満ち、もの静かで落ち着いた性格です。また、非常に愛嬌があり、オーナーはもちろん、家を訪れるお客さんとも一緒に過ごすのが大好きです。
ラグドールは他の動物に対して寛容なことで知られており、特に子供たちに優しい態度を示します。親しみやすく利口なため、よく犬にたとえられます。
そして、活動レベルは中程度で、活動的に遊ぶのは1日のうち数分に限られます。断然、寝そべって遊ぶことを好みます。
出典:World Cat Congress (WCC)による主要な事実と特性
ラグドールの特徴
ラグドールの性格
仲間と一緒にいることを好みますが、あまり騒がしい環境は好きではありません。抱っこされるのが大好きです。
体のサイズ
オスの体重は5 - 9 kg、メスの体重は4 - 6 kgくらいです。
ラグドールの歴史・起源
ラグドールは1960年代初頭にアン ベイカーによって作出されました。彼女が飼育していた猫の1匹は、ジョセフィーヌという名の長毛の白猫でした。そして、繁殖プログラムで使用した他の猫は、シール ポイントのオス、(おそらく)バーマンの雑種、そして完全な黒い猫でした。
そのおとなしい気質と、抱き上げた人の腕の中でリラックスする様子から、ベーカーはこの猫を「ラグドール」と呼ぶことにしました。1975年、デニーやローラ デイトンを始めとする他のブリーダーが、アメリカの主要な猫愛好家に認知させることを目的として、この品種をさらに交配させました。
「ラグドール」は、「ぬいぐるみ」という意味です。これは、抱き上げられたときに、完全に筋肉を緩めてリラックスする姿が、まるで「ぬいぐるみ」のようだ、というところから名づけられました。
毛色の種類
シール、ブルー、チョコレート、ライラックの4つの毛色があります。被毛のパターンは以下の3つがあります。
- カラーポイント:ボディの色が四肢の先端(ポイント)より薄い
- ミテッドまたはグローブ:ボディの色より濃い色が顔、四肢、尻尾、耳にあるが、足先が白い
- バイカラー:濃い色が尻尾と耳にある。顔も濃い色があるが、両目の間が逆さまのV字で白くなっている。足先は4つともホワイトで、前胸と腹部もホワイト。
毛色は、2歳になるまで完全にはならず、年齢とともに色が濃くなります。
品種固有の情報
- 国
- 米国
- 被毛
- 中毛種
- サイズ区分
- 大型
- 平均寿命
- 12–17 歳
穏やか / 愛嬌がある / フレンドリー
ラグドールの飼い方、育て方
ラグドールの各ライフステージでの世話の仕方を見てみましょう。
ラグドールの子猫
ラグドールの印象的な青い目は最もよく知られた特徴の1つですが、遊び好きでフレンドリーな性質も有名です。
ラグドールは最も大型の猫の品種の1つであり、完全に成猫になるのに最長4年かかります。とはいえ、成長の大部分は生後1年目に起こり、その後はもっぱら筋肉がついていきます。
トレーニングと行動
ラグドールの子猫は有益な強化訓練によく反応し、猫用トイレや爪とぎの使い方をすぐに憶えます。ペットオーナーが投げたものを取って来るなどのゲームさえ習得する場合があります。
ラグドールの子猫は信じがたいほど愛情に満ちています。幼少期でさえ愛情たっぷりに来客を迎え、仰向けになってお腹を見せたり人間の膝の上で丸くなったりします。温和で愛嬌のある性格のおかげで、ラグドールの子猫は、犬や鳥、小動物といった他の家庭用ペットにも忍耐強く接します。
ラグドールの成猫
ラグドールの成猫は変化を受け入れるのが苦手で、家具を移動させたり日常の習慣が変わったりすることで不安に感じることがあります。
ラグドールは特に機敏な猫ではないので、怪我を避けるために、幅の広い棚を持つ背の低いキャット ツリーを購入すべきです。ラグドールは不器用なので、成猫であっても怪我や事故を防ぐために室内に置いておくことをおすすめします。
グルーミング
ラグドールの絹のような半長毛の被毛を健康に保つには、定期的なグルーミングが必要です。毎週ブラッシングをすることで、もつれやからみを防いで、抜け毛を取り除くことができます。
換毛期には毎日、ブラッシング、コーミングしてあげてください。
猫が動くと、それに応じて、毛も動きやがて房状に分かれるようになります。
皮膚や被毛は、タンパク質から作られますので、美しい被毛と健康的な皮膚を保つには、十分にタンパク質を摂取する必要があります。また、被毛のしなやかさを維持するためには、適切な量の脂肪酸も必要です。
ラグドールの健康と食物アレルギーによる皮膚疾患・消化器疾患
ラグドールは健康で頑健な品種であることで知られていますが、肥大型心筋症(HMC)という遺伝性疾患にかかりやすい傾向にあります。
その体の大きさから、ラグドールは他の品種よりも骨や関節に注意を払う必要があり、骨を健康に保つためにも生涯サポートが必要です。
骨や関節の問題による症状には、歩行異常や不快感があります。疾病の予防や闘病に最善の方法のひとつは、体重管理と健康的な成長をサポートするための適切な栄養の摂取です。
老化
ラグドールの穏やかな性質はシニアになるまで変わらないことが知られています。とはいえ、健康と栄養のニーズは年をとるにつれて変わります。この段階で、定期的に獣医師のところで健康診断を受けさせることをおすすめします。獣医師は、老化によってもたらされる栄養上の変化や健康上の問題についてアドバイスしてくれるでしょう。
大きく成長する猫種。負担がかかる関節の健康を維持するには?
成長すると、個体によっては、9kg程度にもなる大きな猫種ですので、太らせてしまうとさらに関節に負担がかかるようになってしまいます。普段からカロリー摂取が過剰にならないようにフード選びに気を付けてあげることが大切です。 大型の猫種のため、12ヵ月齢で成猫になった後も、4歳くらいまで、身体が大きくなり続けることもあります。
ラグドールの年齢(ライフステージ)にあった食事の選び方
ラグドールの猫種としての特徴を考えると、皮膚と被毛を健康的に維持すること、負担がかかりやすい心臓のケア、骨と関節を健康的に維持すること、に配慮したフードを選ぶといいでしょう。
- 成猫期に大切なケアポイントとは?
- 健康な皮膚と被毛を維持するには?
- 心臓の健康維持に配慮するには?
- 健康な骨と関節を維持するには?
- ラグドールという猫種にとっての栄養バランス
- ラグドールにとっての食べやすさ、美味しさの重要性
成猫期は、個体差がもっとも顕著に出る時期であり、この時期は、ラグドールの特徴をケアするフードを選ぶことが大切です。ラグドールのケアのポイントは、健康的な皮膚と被毛の維持、心臓の健康維持への配慮、健康な骨と関節の維持、です。また、4歳程度まで身体が大きくなり続けるというラグドールの猫種の特徴にも配慮する必要があります。
猫では食事から摂取したタンパク質の約25~30%が皮膚や被毛のために使われる、という報告があります。ですから、健康な皮膚と被毛の維持には、十分なタンパク質の摂取が欠かせません。
皮膚の角質や被毛は、ケラチンというタンパク質から作られています。ケラチンは、タンパク質に含まれている18種類のアミノ酸から生成されています。消化分解されないタンパク質は、腸で吸収されず、栄養素として利用することができませんので、消化性の高いタンパク質を与えることが大切です。
また、皮膚のバリア機能やソフトな被毛をしなやかに保つためには、EPAやDHAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸とガンマリノレン酸(ルリチシャ油に含まれる)などのオメガ6系不飽和脂肪酸が役に立ちます。猫は、オメガ3系とオメガ6系の脂肪酸は体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があり必須脂肪酸とよばれています。
オメガ3・6系不飽和脂肪酸は、細胞膜の構成成分となっていて、特にオメガ6系不飽和脂肪酸は、細胞膜の柔軟性を保つことで、健康な皮膚のしなやかさを維持します。
ラグドールは、心臓の健康に配慮が必要です。心臓の健康に配慮するためには、タウリンを適切に摂取することが大切です。
ラグドールは大型の猫種のため、他の猫種より体重を支える関節に負担がかかります。 関節のケアのためには、グルコサミンやコンドロイチン硫酸を食事から摂取することが大切です。
ラグドールという猫種にぴったり合った栄養バランスのフードを選ぶとき、大切なことは栄養素のバランスであって、素材が何であるかは、重要ではありません。ラグドールに最適な栄養バランスになるよう様々な素材を組み合わせたフードがオススメです。
どんなに健康によいフードでも食べてくれなければ、意味がありません。人間目線ではなく、ラグドールの目線から、食べやすく、食欲をそそるフードであることが大切です。 猫にとっての美味しさは、人間とは異なり、匂い、食感、タンパク質の含有比率の高さなどが重要な要素になります。