愛猫に散歩を許すか、完全室内飼いにするか:あなたの愛猫を外に出すべきか
愛猫を外に出すべきかどうかは、飼い主にとって大きな決断です。愛猫を外に出すメリットだけでなく、安全を確保する方法など、いくつかの点について考える必要があります。愛猫に外の世界を見せてあげることに決めた場合でも、適切に準備と下調べをすることで、ペットのリスクと飼い主であるあなたのストレスを最小限に抑えることができます。
Article
猫はいくつになったら外に出すことができるか
いかなる場合においても、子猫の最初のワクチン接種が完了してから1 週間、つまり生後13~14週頃までは、絶対に外に出してはなりません。それより早い月齢で外に出すと、猫風邪などの病気にかかる危険があります。理想的には、愛猫を一匹でお散歩させるのに、生後約6か月頃まで待つのが良いでしょう。さらに、そのときには、不妊手術を必ず済ませておきましょう。ただし、飼い主と一緒であれば、月齢が低くても外に出ることができます。
愛猫を外に出すメリット
野生の猫と同じように、愛猫を外で散歩させたり、遊ばせたり、猫が本来持つ本能を発揮させることにはメリットがあります。外に出すことが許された猫は、十分な運動ができるだけではなく、精神的な刺激を受けるおかげで退屈することもありません。また、木や柵で思う存分爪とぎもできることで、爪や筋肉を良好な状態に保つことができます。
外を散歩する猫が遭遇する最大のリスク
猫を飼い始めると「愛猫を外に出しても安全なのか」と疑問に思ったり、同様に「愛猫が逃げ出さずに一緒に散歩するにはどうしたらいいか」と頭を悩ませる方がいらっしゃいます。猫を外に出すと、病気や寄生虫、他の猫との喧嘩、怪我、中毒、自動車だけではなく、迷子や盗難など、かなり恐ろしいリスクが伴います。
一方で、完全室内飼いの猫にもいくつかのリスクがあります。最もわかりやすいリスクとして挙げられるのは、運動不足で肥満になることと、それに伴う健康上の問題です。しかし、猫を外に出すリスクは、完全に室内飼いするリスクを上回っていると言っても過言ではありません。
愛猫に外の世界に触れさせる方法
愛猫を外に出すかどうかを決められるのは飼い主だけですが、外でも愛猫の安全を確保する方法や、少なくともリスクを軽減する方法について詳しく知っておくと、決断しやすくなるはずです。愛猫を外に出すかどうかを決断したら、初めて外に出すかなり前の段階からその準備を始める必要があります。
愛猫を初めて外に出す前に考えるべきこと
愛猫を早いうちから人や他の動物に慣れさせることで、安心して外に出すことができます。
愛猫を外に出す前に、名前を呼べば反応するように訓練しましょう。
万が一愛猫が迷子になった場合でも、マイクロチップが装着されていれば、獣医なら誰でも猫をスキャンして識別し、安全に家に帰すことができるはずです。
ペットの不妊手術は、猫の健康に良いなど、さまざまな理由からお勧めです。しかし、特に愛猫を屋外に出す場合は、望まない子猫の出産リスクを排除するためにも、不妊手術が不可欠となります。一般的に、不妊手術を受けた猫は、受けていない猫よりも家の近くに留まることが知られています。
枝やフェンスに引っかかった場合に自然に外れるクイックリリースカラーを購入してください。小さな鈴を付けると、猫の狩猟本能で地域の鳥を攻撃してしまうリスクを減らすことができます。
愛猫に定期的に予防接種を受けさせ、またダニやノミなど寄生虫の駆除剤を使用します。
近所全体を猫にリスクがないようにすることはできませんが、ご家庭の庭であればリスクを最小限に抑えることができます。愛猫がアクセスできる屋外スペースに、ユリや菊、チューリップ、水仙の球根、またはツタなどの有毒植物がないこと、さらにその他の危険がないことを確認しましょう。たとえば、小屋に鋭い道具や有毒な化学物質は保管されていないか、愛猫が立ち往生する可能性のある小さなスペースはないかなどをチェックしましょう。
外でも愛猫の安全を確保する方法について考えてみましょう。交通量の多い道路の近くに家がある場合は、庭から外に出ることがないようにしっかりと囲まれていることを確認する必要があります。
飼い主が家にいることが多い場合は、愛猫が出入りできるようにドアや窓を開けっぱなしにしておくこともできますが、一日の大半を外で過ごしている場合は、猫用の出入り口を取り付けると猫が自由に出入りできるようになります。
飼い主は「夜に猫を外に出すべきか」に悩むことがあります。これには正解も不正解もありませんが、夜間の外出は、交通だけではなく、他の猫からの攻撃、犬やキツネ、アライグマなどの捕食者によるリスクが高いことに注意する必要があります。夜間外に出すことにした場合、光を反射する首輪を使用すると、屋外でも愛猫が見えやすくなるため、周りが暗くても愛猫の安全を確保することができます。
愛猫を外に出したいもののリスクが心配な場合、スペースがあれば、猫が探索できる安全な屋根付きの庭(キャティオ。別名、猫用パティオ)を設けることが、1つの妥協点です。
初めて外に出す日:愛猫に外の世界に触れさせる方法
決行日は静かな日を選ぶ
近所の家で大規模なパーティーや騒々しい建築工事が行われている場合は、穏やかな一日を過ごせるように、別の日に愛猫を初めて外に出すことを検討しましょう。
愛猫の体内時計を活用する
愛猫の早朝のお散歩を食事の直前に計画し、必要に応じてドライフードの入ったボウルを揺すってカタカタと鳴らして家の中に戻ってきてもらいましょう。愛猫に家に戻ってきてもらいたいときは、こうした餌の入ったボウルで引き寄せる方法が役に立つかもしれません。そのため、外で餌を与えないようにすることが大切です。
最初は監督する
最初のうちは、あまり長く外に出さないようにします。ドアを開けたままにして、飼い主がまず庭に出ます。その後に一緒に外に出るかどうかは、愛猫に決めさせましょう。重要なのは、愛猫を外に出すように訓練することではなく、猫が家に戻っても快適であることを確認することです。愛猫を外に出しても大丈夫と確信したら、最初のうちは短時間で愛猫から離れてみることから始めましょう。
注意が必要ですが、愛猫を信頼しましょう。
愛するペットを初めて外に出すことは緊張しますが、外の世界に触れさせてあげると決めたら、必要な予防措置をすべて講じ、後はリラックスして愛猫が新鮮な空気と緑を満喫する様子を楽しみましょう。
新しい縄張り:引っ越し後に初めて猫を外に出す
引っ越しは人間にとってもストレスが溜まるものですが、猫にかかるストレスはさらに大きくなります。引っ越しによる忙しさが落ち着いたら、ペットが新しい家に慣れるまで数週間は家から出さず、落ち着いてから屋外のエリアを探索させることが賢明です。また、飼い主自身が環境の安全性を確認する必要があります。たとえば、庭は安全に囲まれていて、危険はないか、交通量の多い道路など、近くで注意すべきリスクはあるかを確認しましょう。
室内飼いの猫を初めて外へ出す場合には、慎重かつ忍耐強い対応も重要です。室内の猫を外に出すには、ある程度の辛抱が必要になります。まず、ペットが新しい家に慣れ、引っ越しのストレスから回復するまで待ちます。猫が新しく家に来て初めて外に出す場合は、少なくとも2~3週間は室内から出さずにおく必要があります。
愛猫に散歩を許すか、完全室内飼いにするか:正しい答え
猫の責任ある飼い主であるあなたは、精神的な健康だけでなく、栄養や健康状態も含め、ベストな状態を作ってあげたいと考えていることでしょう。外の世界には、遊びや刺激がたくさんあります。確かに外を散歩する猫は、カサカサと音を立てる落ち葉を追いかけたり、ハエに飛びかかったり、木の樹皮で爪をといだりして、一見充実した生活を送っているように見えます。
しかし、それにはマイナス面もあります。屋外で過ごす猫の寿命は、室内飼いの猫の寿命よりもずっと短いことが研究により分かっています。室内で暮らす猫は新鮮な空気の中でお散歩できないかもしれませんが、外を走る自動車や他の動物との争い、病気、有毒植物などのリスクから守られているため、屋外に出る猫よりも健康的に過ごせる確率が高くなります。
とはいえ、愛猫を一切外に出すべきではないと言っているわけではありません。愛猫を外に出しても安全かどうか、そして愛猫が自然を楽しむメリットがリスクを上回るかどうかは、飼い主だけが判断することができます。
室内飼いの猫は、適切な環境があれば元気に成長することができます。ここでは、愛猫の生活環境をさらに良くし、運動させるためのヒントをご紹介します。
- 見晴らしの良い場所。猫は下を観察できる高い場所を好みます
- 隠れられる場所。穴のあいたボックスが付いたキャットツリーか、普通の段ボール箱がお勧めです
- たくさんのおもちゃ。棒に羽根やフォームボールが付いたおもちゃ
- 定期的なプレイタイム。飼い主と遊ぶ時間はいつでも楽しいものです
- 爪とぎポスト。猫の爪と筋肉を良好な状態に保つために重要です
愛猫を外に出すことにした場合、適切な準備をしておくと、猫は外での時間を楽しんでくれるでしょう。また、愛猫の安全を確保するためにできる対策をすべて取ると、飼い主も安心できるはずです。
関連記事
犬と猫を一緒に飼う
猫のIDタグとマイクロチップの利点とは
このページを「いいね」および「シェア」する