ボクサーの特徴・性格・飼い方・フードの選び方
<目次>
ボクサーの基礎知識
ボクサーは、家族に対して献身的で忠誠心を持つと同時に、護衛犬としての用心深さと揺るぎない勇気を備えることで長く親しまれてきました。
ボクサーは恐れを知らず、自信があり、穏やかで、バランスがとれた犬です。家族を脅すことはありませんが、見知らぬ人に対しては疑い深くなる傾向があり、怒ったときには恐れることを知りません。
ボクサーは従順なので、トレーニングが簡単です。要求が厳しくなく清潔で忠実なボクサーは、防衛犬や実用犬としてだけでなく、家族向けのコンパニオン ドッグとしても適します。
出典:国際畜犬連盟(FCI)のデータより要点と特徴を抜粋
ボクサーの特徴
ボクサーの性格
活動的で頭の良い犬です。ブリーディングでは、安定した気質の犬を作り出すことに重点が置かれています。
体のサイズ
オスの体高は57cm~63cm、メスの体高は53cm~59cmくらいです。
ボクサーの歴史・起源
ボクサーの祖先は、マスティフ犬から派生した、紀元前2000年ごろのアッシリアで闘犬や家畜を野生動物から守るために飼育されていた犬だと考えられています。
現在のボクサーは19世紀中頃にドイツでブレンバイザー(現在は絶滅している)やイングリッシュブルドッグなどとの交配によって作られました。黒い顔や黄褐色の毛色など、ブレンバイザーの特徴のいくつかは現在のボクサーにも受け継がれています。その後、1895年にミュンヘンでボクサークラブが設立され、1906年にスタンダードが登録されました。
第一次世界大戦で、ドイツ軍の軍用犬として使われたこともありましたが、現在では、ペットや番犬として人気の高い犬種です。
毛色の種類
フォーンとブリンドル(ベースとなる毛色に他の色が混ざった毛色)が認められています。
フォーンからライトタン、マホガニー、ゴールデンレッドへのグラデーションは、認められます。ブリンドルは、濃い色または黒の縞や筋模様であること。ホワイトマーキングは、許容されます。
品種固有の情報
- 国
- ドイツ
- グループ
- FCIグループ2, AKCワーキング グループ
- サイズ区分
- 大型
- 平均寿命
- 9–10 歳
警戒心の強い / 自信にあふれた / 熱中しやすい / 落ち着いた性格 / フレンドリー / 独立心の強い / 忠実な / 元気な / 防御する
ボクサーの飼い方、育て方
自信にあふれたボクサーについて、発達段階ごとに詳しく見ていきましょう。
ボクサーの子犬
この元気な子犬を家族に適応する素晴らしいペットにするためには、たくさんのトレーニングと社会化の訓練を行う必要があります。そうすることで、性格的にバランスの取れた成犬になります。
トレーニング
気質はボクサーの子犬にとって重要であり、適切な行動をしっかりと強化するために細心の注意を払う必要があります。愛犬の社会化を十分に行い、子犬の頃から生活の基本的なルールをしっかりと理解させることが、成犬になった時のウェルビーイングと行動に非常に大きな影響を与えます。
ボクサーの成犬
要求が厳しくなく忠実で清潔なボクサーは、防衛犬や実用犬としてだけでなく、家族向けのコンパニオン ドッグとしても適しています。
ボクサーの成犬はドイツの警察によって選ばれた最初の品種の一つであり、鋭敏で熱心な働く犬としての名声を築き上げています。
運動とボクサーの仕事
ボクサーは成犬になっても高いエネルギー量を維持します。そのため、1日に2時間以上の運動を必要とします。できれば1時間の散歩2回に分けてください。また、常に精神的刺激を与えられるよう、インタラクティブな遊びを取り入れると良いでしょう。
ボクサーの成犬は優れた番犬です。19世紀以来、ボクサーは世界中でそのような役割に活用され、活躍してきました。
ボクサーの健康と老化
ボクサーは、8歳になると高齢犬とみなされます。加齢とともに、ボクサーの聴力や視力が低下する可能性があります。これは高齢の犬では普通のことですが、ライフスタイルや可能な活動に影響を与えます。
関節の硬化などにより、運動意欲が低下することもあります。それを防ぐため、高齢の愛犬の関節痛を和らげて、快適に過ごせるよう工夫することが重要です。
全ての犬種の中でも特に筋肉質で体脂肪が低いアスリート体質。飼い方の注意点は?
例えば、日本で人気のある大型犬の代表的犬種、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーと比較すると、半分程度の脂肪率しかないのです。この筋肉質な体質がボクサーの特徴のひとつです。 ボクサーは、体も大きく運動量も多いアスリート犬ですが、しつけがしやすいこともあり、室内飼いも可能です。毎日一時間以上のお散歩に連れて行ってあげることに加え、できるだけドッグランなどで運動させてあげるようにするのが理想的です。
日常的なお手入れはどうすればいい?
ボクサーの短く硬めで、光沢のある被毛は、体にぴったりと沿うように生えています。毎日のお手入れが比較的楽な犬種で、週1~2回程度のブラッシングで十分でしょう。 また、一般的に短頭種の犬は、呼吸器官の構造上、呼吸がしづらくなってしまうことがあります。特に、日本の夏のような高温多湿の気候が苦手です。飼育環境の温度管理や、夏の昼間のお散歩やお出かけは避けるなどの配慮が必要な犬種です。
健康維持のために注意することは?
犬で比較的多く見られる心臓疾患のひとつに、拡張型心筋症があります。拡張型心筋症は、小型犬よりも大型犬に起こりやすい傾向がありますので、大型犬は心臓への配慮が必要な犬種が多いですが、ボクサーも例外ではありません。
心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割をしていますが、そのためには、心臓の筋肉や弁など、いろいろな部分が正しいリズムで動き、血管に血液をスムーズに送り出すようにしなければいけません。心臓のある部分に異常が起きてしまうと、心臓はきちんと働くことができなくなってしまいます。心筋症とは、心臓の筋肉の厚みが変化したり正常に働かなくなったりすることによって、うまく全身に血液を送れなくなる病気です。初期では特に症状は現れませんが、進行すると咳や呼吸困難などが起こったりします。病気を早期に発見するためにも、定期的な健康診断は欠かさないようにしましょう。
犬種の特徴である心臓病を防ぐのは難しいですが、心臓の働きを助ける栄養分に配慮した食事を与えることで、心臓の働きをサポートすることはできます。
ボクサーの年齢(ライフステージ)にあった食事の選び方
ボクサーの犬種としての特徴を考えると、筋肉質な体の健康維持、関節の健康維持、心臓の健康維持に配慮したフードを選ぶといいでしょう。
- 筋肉質な体の健康的な維持
- 健康的な関節の維持
- 心臓の健康維持
- ボクサーという犬種にとっての最適なフード
ボクサーの体脂肪率は、なんと15%で、すべての犬種の中でも特に筋肉質な体をしています。同時に活動的ということもあり、カロリー要求量が高い犬です。ボクサーの食事を選ぶとき、犬種の特徴である筋肉質の体を維持するためのタンパク質を適切に摂取できることと、必要なカロリー要求量を適切に満たすことに配慮する必要があります。
タンパク質は、筋肉のもととなりますが、食事から摂取した後、消化吸収されないと、筋肉の材料として使われることがありません。ですから筋肉維持のためには、消化性の高いタンパク質を含んだフードを選んであげることが理想的です。
また、脂肪からの効率的なエネルギーの産生には、L-カルニチンが大切です。体内でのエネルギー産生は細胞のミトコンドリア内で行われますが、そのミトコンドリア内に材料となる脂肪酸を運び入れて脂肪を燃焼させる役割をもっているのが、L-カルニチンです。
大型犬で体重が重く関節に負担がかかりやすいことに加え、活動的な性格のボクサーは急に走り出したり、ジャンプしたりすることもあります。そのため、関節の負担に配慮してあげることが大切です。関節の健康維持には、関節軟骨の成分でもあるコンドロイチン硫酸、グルコサミンを十分に含むフードが適しています。
拡張型心筋症の原因は、詳しくはわかっておらず、防ぐことは難しいですが、一部の栄養素の不足と関連があると考えられているため、心臓の健康維持をサポートするために心臓の働きを助けるL-カルニチンやタウリン、オメガ3系不飽和脂肪酸(EPA・DHA)などの栄養素を食事から摂取することが大切です。
ボクサーという犬種が他の犬種と異なる特徴に配慮したフードを選ぶことが大切です。ボクサーの口は、上顎より下顎が長いアンダーバイトのため、フードをとらえにくいという特徴があります。独特の形の顎でもとらえやすく、歯垢がたまらないようによく噛んで食べるキブル(粒)のフードを選んであげることが理想的です。